モダンタイムス の書評・感想

「勇気はあるか?」

モダンタイムス

検索から、監視が始まる。
漫画週刊誌「モーニング」で連載された、伊坂作品最長1200枚。

井坂さんの小説でよく感じるんですが、
例えば離婚ってゆー事や そーゆーネガティブな印象の事ほど


ん?あぁ。 まぁ、そんな事もあるよね。


だから?


くらいで済ませてる所がすごい好きです。


どんなネガティブな事に対しても決して後ろ向きになったり悲観したりせず、
フツーに前向き進んでいくところが颯爽としていて読んでいてとても気持ちが良い。


「陽気なギャングが地球を回す」でも主人公の一人の成瀬が嫁を他の男に取られた事を全然根に持っていなかったり 別の話、東野さんの「夜明けの街で」の浮気の話とかは途中で挫折してしまったんですが なんてゆーか 尾を引かない心が強い人物像が好きです。


本を読む中で、そーゆーものに 触れていたい。


そーゆーものに触れたくて本を読むのかもしれない。


感想ですがストーリーや展開の仕方はゴールデンスランバーと雰囲気が似ていて特に新鮮さはなかったように思いました。


でもゴールデンスランバーの時もそうだったけど、井坂さんの小説で好きなのは内容よりも登場人物達がとにかく好きです。


今回は小説家、井坂好太郎として井坂さん自身登場してたりしたけど主人公・渡辺拓海の妻でドメスティックバイオレンスな佳代子がヒットでした。


この嫁がとにかく破天荒でメチャクチャ。


離婚暦が過去に2度あり、別れた夫は一人が行方不明、一人が死んでます。


ほぼ確実に佳代子が何かしらの手をくだしていてその理由が「浮気をしたから。」です。


は?(・ω・;)


【浮気をしたら殺される。】


それは比喩表現でもおどしでもなく実際システムエンジニアの仕事をしている主人公・渡辺がいきなり拷問されているシーンから物語が始まります。


拷問するのは渡辺の浮気を白状させるよう佳代子に雇われた岡本猛という男。


佳代子は浮気に対して猜疑心がとても強く、渡辺は以前も拷問され腕を折られている。


しかも濡れ衣。


ひどく物騒な話だけどその辺りの書き方が井坂流というか、人を食ったような表現や皮肉った言い回しで ブラックユーモアのコメディを見ているような感覚ですごい面白い。


まぁ腕とか 折られていますが。


今回も爪とか 剥がされかけますが。


浮気の疑惑相手の事を説明をしてどうにか爪を剥がされることなく 命からがら開放されて、どうにか眠り、朝になるとベッドの隣に妻が眠っていた時の表現


爪を剥がされかけた男の隣で、その爪を剥がすように命じた女が こうも穏やかな寝顔で良いのだろうか、と疑問に思うほどの穏やかさだった。


がとても井坂さんらしい。


とにかくめちゃくちゃでとても理不尽だけど、美しく、なんかもっともらしい信念を持っていて 主人公を愛する妻の一面もあり、どこか憎みきれず、


とゆーか、後半完全に好きでした。


拷問から開放され仕事に出掛けると 渡辺は今までプロジェクトリーダーとして取りまとめてきて、 ようやく目処がたってきたプロジェクトから移動を命じられる。


先輩の五反田 正臣が担当していた別のプロジェクトから突如逃げ出したため、その後釜として後輩の大石倉之助と共に現場に出向しろという命令。


今までのプロジェクトを抜けて嫌々作業場所に行き、仕様を確認するとインターネットサイトの登録画面に項目を5つ追加するだけの作業。


でもそれが一体何のシステムなのか分からないしプログラムの全体像もわからない、


担当者ともメールでしかやり取り出来ず単純な内容なのにうまく作業が進められず 仕方がなく独自にプログラムの解析をしていく渡辺と大石。


そんでこのプログラムが「検索語」を調べていることをつきとめ、さらにそのキーワードが


「播磨崎中学校」「個別カウンセリング」「小林友里子」などといったキーワードであること、


そのキーワードで検索をした人間の身元(IPアドレスとかですかね?)を調べるようなものであることを解析する。


さらに追求していくために「播磨崎中学校」「個別カウンセリング」というキーワードで実際に検索を行い検索にヒットしたサイトにアクセスすると・・・


「播磨崎中学校」で起きたという ある事件、


その事件をきっかけにヒーローとなった永嶋 丈という政治家。


主人公が困った時に相談をする井坂好太郎


主人公の爪をはがそうとした岡本猛


その殺し屋を雇った妻の佳代子


といった人物を中心にストーリーは展開していきます。


と、この辺までが大まかなあらすじです。


「魔王」の続編らしく、その話も確かに出てはくるけど、50年後の世界の話で 昔こんな事があったよ程度でしか絡まないので「モダン・タイムス」だけ読んでも問題はありません。


冒頭の問に対する答えが最後に用意されていてそれが


「いま、あいにゆきます。」 または 「その時は彼によろしく。」


くらい語呂の良いセリフで、 その一言がさらりとしていてとてもかっこよくて印象に残りました。


photo
モダンタイムス (Morning NOVELS)
講談社 2008-10-15
売り上げランキング : 2900
評価

フィッシュストーリー あるキング 砂漠 (Jノベル・コレクション) SOSの猿 ゴールデンスランバー

by G-Tools , 2010/02/03



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本を読んだり絵を描いたりホームページを作ったり文章を垂れ流すのが好きです。
お酒がほとんど飲めずたばこも吸えなくてギャンブルとか全然面白くない草食系で 笹とか食ってそーだよねって言われるのですがベースは熊ですのでお気を付け下さい。
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