ベルカ、吠えないのか? の書評・感想

これはフィクションだってあなたたちは言うだろう。
おれもそれは認めるだろう。でも、あなたたち、
この世にフィクション以外のなにがあると思ってるんだ?

ベルカ、吠えないのか?


1943年、日本軍が撤収したキスカ島。
無人の島には4頭の軍用犬が残された。
捨てられた事実を理解するイヌたち。
やがて彼らが島を離れる日がきて-。
それは大いなる「イヌによる現代史」の始まりだった!

犬を飼いたくなるとか、犬が癒してくれるとか、もぅそんなレベルじゃない。


犬になりたい。


犬になってしまいたい。


読み終わった後、本気でそう思った。


そんくらいカッコイイよこれは。


アホな人間共に翻弄されながらも逞しく、誇り高く生きる犬達。


タイトルを見た感じ、ベルカって飼い犬が家に泥棒が来ても吠えなくて困ってるんですよね的な雰囲気かなって思ったけど違った。


そんな生温い世間話じゃなかったよ。


これは犬達の織り成す壮大な血の系譜の物語だ。

 
1942年の第二次世界大戦中のアリューシャン列島、キスカ島。


アメリカのこのキスカ島と、もうひとつアッシ島をミッドウェー攻撃から目を逸らさせる陽動目的に日本軍が占拠していたがアッシ島に米軍11,000人が上陸し日本軍2,500人をあっとゆー間に玉砕される。


これを受けて、アッシ島の2倍以上のキスカ島の兵士達に撤収の「ケ」号作戦が立案され実行され
その際、軍に所属していた4匹の軍用犬達は置き去りにされる。


この4匹。


北、正勇、勝、エクスプロージョン


ここからすべては始まります。


置き去りにされた4匹の犬達、飼い主が帰ってくるのを甲斐甲斐しく待ったり感動の再会とかしません。


領土を取り返しにきたアメリカ兵にソッコーで寝返ります。


これはそーゆー話じゃないんです。


ただこの4匹のうち勝だけはアメリカ兵を地雷原に誘いこみ数人を道連れに爆死します。


つまりそーゆー話です。


残りの3匹のうち、純血のシェパード種の正勇とエクスプロージョンが交尾をし、エクスプロージョンは5匹の子犬を出産の後に命を落とし 北、正勇、子犬の残りの7匹は海兵隊の基地で訓練しなおされ寝返ったアメリカでアメリカ籍の軍用犬となるべく輸送船に乗せられてキスカ島を抜けダッチ・ハーバーへ向かう。


この際に北は狂犬病のワクチンの過剰摂取により激しく体調を崩し抑鬱症と診断されてダッチハーバーに渡されない。


体調を崩し、生きる気力を無くし、精神を病んだ北は軍が使用する係船場の倉庫のかたわらにつながれ アリューシャンの再現のようにまたしても捨てられ、またしても置き去りにされる北。


絶対的な無気力の中で意識が曖昧なまま彷徨い続けそれでも航空隊の隊員が北に餌を与え、
飛行機の操縦士の友人に珍しい北海道犬がいると紹介しこの犬好きの操縦士が北を引き取り飛行機に乗せられ今度はアラスカ半島アンカレッジへと向かう。 意識は未だ曖昧なまま。


さらに北へ、北へと移動していき ある事をきっかけに完全に覚醒し、目覚めた北は犬橇チームのリーダー犬となり主人と共にアラスカの様々なレースで勝利を収め犬橇会の頂点に君臨する。


他の犬達で生き残ったのはただ1匹だけ。


正勇とエクスプロージョンから生まれたバッドニュースという犬だけが戦争から無傷で帰還する。


そうして犬橇会の頂点となった北は、その素質を受け継いだ血統が待望され種犬となり、
バッドニュースも軍用犬としてその戦闘の素質の高さを引き継ぐべくあらゆる雌と交尾していく。


北とバッドニュース、それぞれの子犬達がさらに交配を繰り返しながら様々な物語を織り成してくんだけど ここの面白さがヤバい。


なんかウィードっぽい。


第二次世界大戦はここまでで終わり、ロシア、チェチェン紛争、冷戦、アフガン戦争などを背景に
ある犬は命を落とし、ある犬は命を繋ぎながら犬達が時代を駆け抜けていく。


それと同時に進行するソ連の宇宙犬ベルカ、ストレルカの物語


この辺の繋がりってゆーか、流れとか着地点とかが、正直わからんかった。


↑のような部分をメインに話が進むから、なんか難しかったけどそんなんわからんくても大丈夫


俺全然わからんかったけどおもろかったよ。


歴史とか世界情勢のような本がうまく理解出来なくてすごい苦手なんだけど、
ただ、歴史の荒波の中を犬達が逞しく生きようとする姿勢とかそーゆーのは分かる。


そーゆーとことかスゲー面白かった。勇気出た。


なんかうまくいかない時とか、つらい事とかがあった時とか、


うまくいなかない事を不運や境遇のせいにしてしまったりするけれど


でもそれはきっとそーゆー事じゃないんだと。


うまくいかないのはそれを克服するだけのたくましさが足りないんだと

うまくいってる人はそれを克服するだけのたくましさを身に付けたんだと


時には同胞を喰い、時には主を喰い、


どんな過酷状況でも「生キロ、生キルんだ!」と純粋に生きようとする犬達を見てたら
なんかそんな事を思いました。


photo
ベルカ、吠えないのか?
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評価

ハル、ハル、ハル gift LOVE サウンドトラック 沈黙/アビシニアン (角川文庫)

by G-Tools , 2010/02/03



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本を読んだり絵を描いたりホームページを作ったり文章を垂れ流すのが好きです。
お酒がほとんど飲めずたばこも吸えなくてギャンブルとか全然面白くない草食系で 笹とか食ってそーだよねって言われるのですがベースは熊ですのでお気を付け下さい。
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