江利子と絶対 の書評・感想

お前らなんか前向きに見捨ててやる。

江利子と絶対

東京でOLをしている「あたし」は、実家の部屋でひきこもっていた妹の江利子を母からの依頼で預かることになる。
当初は相変わらずの生活を続けていた江利子だったが、ある日、テレビから流れてきた不特定多数の死傷者を出す列車事故を目撃したことで、彼女の中で何かが目覚める――。

言葉というものはここまで攻撃的になれるのか。


本谷有希子さんの小説って本当に劇画的だ。


読んでいるとすごくタッチの荒いマンガがイメージに浮かんでくる。


ギョロ目を剥いた驚いた顔や憎しみのこもった表情。


そうゆーイメージを文章で表現出来るってスゴイ


滅茶苦茶だ。


良い意味で


この江利子と絶対の「絶対」というのは引きこもりの江利子が姉のもとで暮らし始めて拾ってきた犬につけた名前なんですが 「絶対に自分の味方」という意味で名前をつけたり、
自分以外の人間は全員敵だと教えるために おにぎりにゴキブリ用のホウ酸ダンゴを混ぜて
公園で寝泊りしているホームレスの人に事情を伏せてゼッタイに食べさせてもらったり
その表現はまさに狂気です。


それでもニュースから流れてきた列車事故に対する感じ方が


「なんでちゃんと頑張っていた人達が死ななきゃならないんだ。」


「部屋で何もせずにひきこもっている自分が生き残ってしまって
事故にあった頑張っていた人々に申し訳ない」


と、とても正気です。


その現場の路線に姉と共に行くシーンがあるんですがその時に出てくる今風のカップルというのが 列車事故になにも感じていないような部分があってそーゆー感覚というのも暗に狂気を表現しているみたいでした。


そーゆー世間と少し感覚のズレた女の子が自分なりにもがき苦しみながら生きているというのをものすごい表現力で書く人です。


photo
江利子と絶対〈本谷有希子文学大全集〉 (講談社文庫)
講談社 2007-08-11
売り上げランキング : 18466
評価

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫) 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫) ぜつぼう 遭難、 グ、ア、ム

by G-Tools , 2010/02/03



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本を読んだり絵を描いたりホームページを作ったり文章を垂れ流すのが好きです。
お酒がほとんど飲めずたばこも吸えなくてギャンブルとか全然面白くない草食系で 笹とか食ってそーだよねって言われるのですがベースは熊ですのでお気を付け下さい。
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