きいろいゾウ の書評・感想

真上にきた太陽と、午後の始まりを告げる鐘の音、
ムコさんは汗だくで歌ってて、そのとき私は世界で一番幸せだった。

きいろいゾウ

夫の名は無辜歩(むこ・あゆむ)、妻の名は妻利愛子(つまり・あいこ)。
お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う若夫婦が、九州の片田舎にやってきたところから物語は始まる。
背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、百足、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。
夏から始まった二人の話は、ゆっくりゆっくりとその年の冬まで進んでいき、「ある出来事」を機にムコがツマを残して東京へ向かう。

冒頭の

必要なもの。
・朝食のトマトと岩塩
・そば殻の枕
・お香「ピーターパン」のにおい
・健康サンダルとその刺激
・クールの目薬とその刺激
・キン肉マンのどんじゃら
・たくさんのバスタオル
・風呂あがりのビール
・階段が軋む音
・緑の升目の原稿用紙
・黒と木目柄の万年筆(メーカー不明)
・第四小学校相撲大会でもらったトロフィー
・青い目覚まし時計とその微妙なズレ
・豚毛のブラシと歯ブラシ
・針がレコードを削る音
・コーヒーを煎るにおい
・ほうじ茶を沸かす儀式
・抽選で当ったディレクターズチェア
・カエルの鳴き声(大合唱に限る)
・明け方の空の色
・裏山を吹く風
・欠け始めた月


という部分にぐっときて読み始めました。


帯に宮崎あおいさんが「ツマ役をやりたい」という風なコメントをされていたんですがすごくハマリそうだと思う。


きいろいゾウの絵本の話と並列に物語は進んでいき、田舎ののんびりとした空気感や ムコさんとツマさんの掛け合いとかその辺の書き方が本当に面白くてあっという間に読み終わってしまいました。


ホント読みやすかった。


ただ個人的に後半のシリアスな展開は(うぅん...)という感じがしました。


前半分は好きだけれど後半分は好きじゃないみたいな


ちょうど半分で好き嫌い別れたからまるで前半と後半で違う作家さんが書いたみたい。


田舎の大きな家で二人で暮らし、いつも一緒にいてとても仲が良いけれど、お互いに踏み込めない領域のようなものがやっぱりあって そういった時どうすれば良いのか?


コミカルな表現や比喩がすごく上手くて思わずニヤニヤしながら読んでしまい


シリアスな展開では言いたい事が伝わってこないようなもどかしい感じがした。


ツマの視点で話が進んで次にムコさんの日記で話が進む


という風に同じ空間を二人の視点で交互に物語が進んでいき相手から見ると本人が感じている自分と少し違ってその辺が面白い。


アレチさん、セイカさん、大地くんに洋子(ジェニー)といった脇役達もすごく良い。


周囲の生き物や植物の「声」を聞き取る不思議な力を持つツマさんと背中に大きな鳥のタトゥーのあるムコさん。


僕は前半のツマさんのお父さんに結婚を反対された二人が途方に暮れながら帰る途中、電車の中で聞こえてきた酔っ払いの歌うグッナイベイビーや 星野大地くんのツマさんへの手紙が好きでした。


特に大地くんの手紙はとても良い。


なんとも言えない不思議な気持ちになりました。

photo
きいろいゾウ
小学館 2006-02-28
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評価

しずく 通天閣 さくら あおい あおい (小学館文庫)

by G-Tools , 2010/02/03



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本を読んだり絵を描いたりホームページを作ったり文章を垂れ流すのが好きです。
お酒がほとんど飲めずたばこも吸えなくてギャンブルとか全然面白くない草食系で 笹とか食ってそーだよねって言われるのですがベースは熊ですのでお気を付け下さい。
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