ヘヴンアイズ の書評・感想

遠くまで行く必要はない。
ほんとうの驚きは、すぐそこにある。

ヘヴンアイズ

heven_eyes.jpg 月の明るい晩に、ヘヴンアイズを見つけた――
自由を求めて孤児院を抜け出した子供たちがたどりついた先には、
奇妙な老人と女の子、そしてたくさんの秘密と悲しみと奇跡が埋まっていた......。

読み終わりたくないって思う本に久しぶりに出会った。


本当に夢中になって読みました。


心に障害を持った子供と決め付けられ、くそったれのサークルタイムにうんざりして孤児院を抜け出した反抗的な少女エリンと不良っぽい男の子ジャニュアリーと小さなネズミといつも一緒のマウス


3人はドアを繋ぎ合わせて作った筏に乗り自由を求めて川を下る。


筏はブラックミドゥンという沼に座礁し、そこで少し頭のおかしいおじいさんグランパと
少し言葉のおかしい少女ヘブンアイズに出会い...


この設定のワクテカ感はスタンドバイミーとかハックルベリーフィンの冒険並じゃないだろうか


読んでる時、物語の中にいる時間は本当に幸せだったよ。


第1章はエリン、ジャニュアリー、マウス、3人がそれぞれ抱える心の傷や痛みが胸を打つ。


子供にとって両親の存在というのは絶対的なんだって事を切実に感じた。


それはほとんど信仰に近いのかもしれない。


よく海外の映画とか小説で相手の母親を罵ったりするのを見るけれどあんまり日本ではないそれがどんなに相手を傷つけるのかがとてもよく分かった。


第2章で筏がブラックミドゥンという沼に乗り上げてからの異世界観はほとんどファンタジー小説のようだった。


この世界観は相当すごいんじゃなかろうか?


実際には孤児院から目で見える距離の所にしか行っていないのに、それをまるで別世界のように感じるのは子供ならではの感覚だと思う。


小さな頃一人で散歩をしていて道に迷ってしまい二度と家に(元の世界)帰れないんじゃないかという不安で一杯になった事があった。


実際には隣町でさえなく同じ町内にいるのに


あの頃世界は本当に広くて驚きに満ちていた。


そういった感覚を思い出させてくれた著者の表現力や世界観がすごいと思うし感動した。


ブラックミドゥンで暮らす少し頭のおかしいおじいさんグランパと
少し言葉のおかしい少女ヘブンアイズ。


何かにつけて3人を殺そうとするグランパと不思議な言葉で歌うように喋るヘブンアイズの二人が出て来てから3人の反応、接し方はそれぞれ違う。


この辺も体裁を繕わない子供らしい表現だと思う。


この登場人物達が絡んでいくうちに色んな謎が明らかになり始め、その中でそれぞれがそれぞれを見つめ直しながら第3章へ続いていく。


内容も良かったけど装丁の素晴らしさも相当なものだと思う。


3人が筏に乗る絵本タッチのイラスト、何故か一人だけ後を向き顔の見えないジャニュアリー


冒頭の

ジャニュアリー・カーはいま、ここにはいない。
理由は、あたしの話を最後まできけばわかる。


という部分とリンクしているし裏表紙のグランパの不気味さとヘブンアイズの天使さのおかげで読みながら上手く物語を想像出来た。


とてもワクワクして、とてもドキドキして、とても不思議で、とても素敵な物語でした。


オススメです。


photo
ヘヴンアイズ
河出書房新社 2010-06-15
売り上げランキング : 352022
評価

肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫) 星を数えて クレイ 火を喰う者たち 青空のむこう

by G-Tools , 2010/11/06



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name:Jose
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本を読んだり絵を描いたりホームページを作ったり文章を垂れ流すのが好きです。
お酒がほとんど飲めずたばこも吸えなくてギャンブルとか全然面白くない草食系で 笹とか食ってそーだよねって言われるのですがベースは熊ですのでお気を付け下さい。
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