早雲の軍配者 の書評・感想

法螺でもいいではありませんか。
どうせなら大きな夢を持つ方がいいのです。
夢を持たぬ者が夢をかなえることなどできないのですから。

早雲の軍配者

伊豆・相模の地を平定した北条早雲の次なる策は、周辺諸国から領地を守る次世代の指導者たちを育てること。風間一族の少年・小太郎は学問の才を見出され、 早雲の直弟子として日本最古の大学「足利学校」へ送り込まれた。若き日の山本勘助らと机を並べながら兵法・占術・陰陽道・医術・観天望気・軍陣の作法な ど、戦国大名のブレーン「軍配者」に必須の学問を修めた小太郎は、やがて戦場で友たちと再会する...。

啓文堂書店 文芸書大賞となった「早雲の軍配者」です。


装丁のイラストの雰囲気から和田竜さんの「のぼうの城」のようなスピード感があって読みやすい内容を想像していたら、史実、時代背景をかなり詳しく書かれていてスピード感や読みやすさはなかったけどこれはけっこう腰を据えた歴史小説なんじゃないかと思った。


司馬 遼太郎さんとか本格的な歴史小説を読んだ事ないんだけどね。


主人公・小太郎は軍配者としてすぐに才能を発揮して活躍し、知略をつくした戦が描かれるんだろーなと思ってたら小太郎が軍配者として世に出るまでがかなり長い。


物語の4分の3くらいは下働きや勉強ばかりしていてラストの4分の1でようやく戦で采を振るう。


下積みがとても長い。というかほとんどが下積みの話なんです。


ラストに至るまで大きな戦もなく、永正○年○月、誰々に降伏した誰々氏はその後永正○年○月に~と史実を辿っていくので歴史の授業中教科書にヒゲとか鼻毛とかいっぱい書いてた僕には読みにくく、ページがなかなか進まなかった。


けれど前振りが長い分ラスト4分の1の戦のシーンは諸国の微妙な力関係(味方にならないまでも中立を保ってくれと頼んだり)や相手の軍配者の性格が出る戦の中で手のうちを読んで戦略を練ったりがとても面白かった。


時代背景とか諸国の内々の事情、協力関係などかなり細かく書き込まれている。


歴史の事はよく分からないけど細かく書いてくれているので(あっちの国を攻めたらその隙を狙われてこっちの国から攻めてくるかもしれないから迂闊に攻めれない)とかその辺の事情がよく分かりました。


主人公・小太郎は孔明のような神憑り的な人物ではなく、ずば抜けて頭は良いけど実直で真面目、とても優しく努力家で後に信玄の軍配者となる山本勘助や上杉の軍配者となる冬之助と出会い、共に勉強しながら少しずつ成長していく。


山本勘助と言えば大河ドラマ「風林火山」の山本勘助ですね。


史実、時代背景をかなり詳しく書かれているって言ったけどこの辺の人物設定とか舞台設定は筆者独自の解釈と考え出した創作なのかな?


軍配者の養成学校・足利学校で共に学んだ三人がその後戦場で再会するんだけど三人の芯の強さ、友情、ライバル心とかかなりアツかったです。


夢やロマンに生き、友と切磋琢磨しながら努力したり自分の道を切り開くために別れを選んだりする三人に胸が熱くなりました。


戦でそれぞれが力を発揮して争い始めるのは続編で描かれるんだろう。


今作は夢を持つ事や下積みの大切さをメインに描かれていると思う。


最初に引用した小太郎のセリフと共に山本勘助のセリフが印象に残りました。


老いぼれて死ぬまで山本家の下男をしなければならない運命だとわかっていたら、
おれは今日まで生きていなかっただろう。
死んだ方が楽だと考えるくらいに辛いことが何度もあったからな。
だけど、俺は死ななかった。
生きてきた。
夢があったからだ。
このままでは終わらない、いつかここから這い上がってやる。
思う存分、好きな学問をして、その学問を生かして、見かけだけでおれを馬鹿にした連中を見返してやる


小太郎がようやくその才能を開花させ始め、共に学んだ勘助や冬之助と今度は軍配者として向かい合い、戦い始める所で終わってしまうので続編がとても待ち遠しいです。


これは期待して良いですぞ!



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早雲の軍配者
中央公論新社 2010-02
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評価

哄う合戦屋 風魔(下) (祥伝社文庫) 忍者烈伝 謎斬り右近 天地明察

by G-Tools , 2010/11/21



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